はじまりは2000年。当時、クリーンエネルギーとして注目されていた水素エネルギーだが、その供給には火力が必要であり、クリーンではなかった。そこで、顧客からの要望によりイリジウムとルテニウムを使用した水電解触媒の研究と製造が始まることになる。当時はまだ「脱炭素化」や「SDGs」といった言葉もなく、そんなことを言っている企業や団体はほとんどなかった。 しかし、2015年になると環境保全は世界的なテーマとなり、水素エネルギーの実用化に向けた動きが加速。フルヤ内でも水電解触媒の開発を本格化し、酸化イリジウムを使用した研究を進めることとなる。
「フルヤの得意分野であるイリジウム、ルテニウムが活躍するわけですからこれは研究開発部門が主導で動かした方がいいなと。」同時に「このプロジェクトは将来かなり重要になってくるとも感じていました。」(研究開発) ———— 酸化イリジウムを用いた水電解触媒は2020年まで開発を続けることとなる。